■ニトロプラスカードマスターズ 第二回銀河一決定戦レポート ~銀河を再び統べる者は誰か?~(2013年5月21日)2013年4月21日、ニトロプラスカードマスターズの最強プレイヤーを決める銀河一決定戦が開催された。昨年夏に行なわれた第1回では、予選を通過した4名がニトロプラス本社で決勝ラウンドを戦う形式だったが、今回は全参加者が一堂に会してのお祭りイベントとなった。 67人のプレイヤーが全6回戦を戦い、銀河最強のプレイヤーを決める。 優勝賞品はトロフィーと、なまにくATKさん直筆の手描きカード「堀越公方《足利茶々丸》」。銀河にたった1枚しか存在しないウルトラレアカードだ! 今大会はニトロプラスによる完全サポート態勢がひかれ、スタッフの皆さんがジャッジとして裁定を行なうほか、すべてのテーブルにプレイマットや勝利点トークン置き場などが完備された。 自分用のプレイマットを持ち込んだり、専用メモ帳に試合の記録をつけている姿も目立った。 《ぬいぐるみストラップ「ゲロカエルん」》をイメージした衣装で参加したプレイヤーさんも! 関連グッズ販売コーナー 会場一角の販売コーナーには、最新プロモカード付きプレイマットを買うお客さんの行列ができていた。 ルール: ・各試合は4人戦で行なわれ、1位6ポイント、2位3ポイント、3位1ポイント、4位0ポイントを獲得する。得点が近い人同士が次の試合で同じ卓になる。 ・6回戦終了時の獲得ポイントがもっとも多いプレイヤーが優勝となる。ポイントが同じ場合、各試合で獲得した勝利点の合計が多いほうが上位となる。 ●ラウンドごとに面白くも悩ましいサプライが登場! 1回戦がスタートすると同時に、いきなり大熱戦が繰り広げられた。サプライに山切れのカードがあるごとに加速度的に強くなる《ドミネーターの射手「公安局刑事課」》がキーカードだったため、いつ山を枯らすか、互いにじりじりとタイミングをはかり合う様子がいくつものテーブルで見られた。 2回戦はいわゆる「ルイリーループ」(毎ターン《魂魄転写「ルイリー」》を撃ち続ける戦法)を作れるサプライだが、それを逆手にとって《ファントム「アイン」》とお金だけで《異界》へ一直線というパターンもあり、最序盤で誰がどうするつもりなのかを見極める目が必要とされた。 前回の銀河一決定戦で優勝した大島さんを、会場で発見。「ディフェンディングチャンピオンですよね?」と声をかけたら、「いえ、僕はマルクです、別人です。初心者です!」と言い張っていたので、きっと「初心に帰って勝負を挑む」という気持ちのあらわれなのだろう……。 続いて3回戦。今度はアクションを次々につなげて《ぬいぐるみストラップ「ゲロカエルん」》を使えれば楽しいが、相手が使うアタックカードによってまったく状況が変わってしまうのがキモとなっている。 4回戦めは特に面白いサプライで、《“武帝”渉外役「オーリガ」》でコストを操作してから《ジェノサイド・クロスファイア「破壊ロボ」》を撃つという夢のコンボが実現できる。《破壊ロボ》は、本来であれば《銀貨》くらいしか壊せないことも多いので弱いと言われがちだが、《オーリガ》をからめれば相手の《異界》だけを狙い撃ちにすることができてしまうのだ。 ただ、このサプライには《銀貨》を得点にできる《対魔特殊部隊「鳥兜」》という対抗策も用意されている。壊されたカードをことごとく《銀貨》にしてしまえばいいわけだ。また、《異界》を狙ってくる《破壊ロボ》に対しては、《シスター「ライカ」》で《異界》を片っ端から5勝利点分のトークンに変えてかわすという手もある。 5回戦は《XAT「アマンダ」》に《ハーレム》《マスコットガール「すーぱーそに子」》を組み合わせることにより《強化ゲノム実験体「スクルージ」》が輝くが、《クリスマスの精霊「プレゼント」》により呪いがたまってしまう諸刃の剣でもある。実はここでは、最新のプロモカード《犯罪プロデューサー「槙島聖護」》をどれだけ生かせるかがポイントだ。自分が3枚ドローする代わりほかの人たちも1枚引けるなど、相手にもメリットがあるが、《護国の不死「石馬戒厳」》と組み合わせれば相手のメリットを打ち消すことができる。 使用サプライ一覧 6回戦すべてのサプライは本大会用にニトロプラススタッフにて考案されたもの。どれも一筋縄ではいかない面白いサプライになっているので、ぜひあなたも遊んでみてほしい。 第二回ニトロプラスカードマスターズ銀河一決定戦サプライ
●ガチ計算と思い切りが運命を決めた決勝戦 5回戦の長丁場を経て6回戦の1番テーブルに集まったのは、以下のプレイヤーたち。優勝争いはこの4人に絞られた。 左手前から時計回りに、プレイヤー名(現在のポイント) マルクさん(27)、ひまじなさん(22.5)、塚田さん(22.5)、rezoさん(21) サプライはこちら
このサプライでは、《魔法少女の契約「キュゥべえ」》のトークンがどこに置かれるかによって、やりやすい戦術が変わってくる。ただし《呪い》も《銀貨》に変えられる《鳥兜総監「ピウス」》にとっては、《第一宇宙速度リーダー「富士見鈴」》を利用するタネとなるのでありがたい。しかし、《禿鷹「リリィ・サルバターナ」》がその《銀貨》を根こそぎ奪っていく可能性もある。逆に、《ネコミミメイド喫茶「伊都夏大学園祭」》と《インフェルノ女幹部「クロウディア・マッキェネン」》のブーストによって、猛スピードで三山切れに持ち込む戦い方もできる。 序盤は互いに様子を探り合う中、ひまじなさんが初手で取った《キュゥべえ》を使い、長考の結果《銀貨》にキュゥべえトークンを置く。するとマルクさんが3人に一歩先んじて《伊都夏大学園祭》+《クロウディア》に加え《SMG「スピカ・ミラ・ガーネット」》で圧縮をかけ、《富士見鈴》にキュゥべえトークンを設置して戦法を確定させる。一方、ここでrezoさんが《ピウス》で大量の《銀貨》を獲得するとともに、《富士見鈴》と《呪い》を合わせて獲得し、デッキを厚くし始める。 中盤戦に入り、マルクさんが《ギガロマニアックス「咲畑梨深」》を買い足す間に、ひまじなさんと塚田さんは《異界》に手を出し始める。その直後にrezoさんが《異界》にキュゥべえトークンを設置。全員もう引き返せない状況となり、決めた道を突き進む。 あっという間に《伊都夏大学園祭》と《咲畑梨深》が残り1枚まで減り終盤戦となるが、マルクさんは「今終わったとしても、rezoさんが1位のはずだからOK」と余裕の表情。そこへ塚田さんが《呪い》込みで《異界》を猛然と買い、トップ目に躍り出る。そして迎えたマルクさんのターン。順位はrezoさんのデッキ枚数次第だが、他人のデッキ枚数を数えることはできないというルール裁定なので、悩んだ末に思い切って《咲畑梨深》を5枚ほど一気に並べる。大量の購入権を使い、《異界》3枚(+呪い3枚)を買うとともに三山をなくしてゲームを終わらせた。 最後のマルクさんのターン。 最終得点を数えてみると、塚田さんが1位、マルクさんが2位。rezoさんのデッキは31枚だったので、及ばず3位となった。 これにより、すでにあった得点差を生かし、1.5点差で逃げ切ったマルクさんが優勝を決めた。 なお、「ドミニオン」で世界一の称号を持つ強豪re_neさんにこのサプライについて聞いてみたところ、「これはやはり“ビッグブリッジ”(大量に《咲畑梨深》を並べて一気に《異界》を買い尽くすようなコンボデッキ。《咲畑梨深》がドミニオンでは《橋》というカード名であることから来る)を作りたいですね。なんといっても、ゲームが終わるタイミングを自分で決められるのが強いです。なので、今回のマルクさんのやり方は、時間がなくて“プチブリッジ”くらいまでしかいきませんでしたけど、正しかったと思います」とのことだった。 優勝のマルクさん。「去年とは別人」と本人は主張しているものの、これで銀河一決定戦を二連覇。表彰式で「引きも強かったけど“運も強さのうち”なので、やはり銀河一の人は持ってるなと思いました」とニトロプラス イベント担当のさとゆうさんに賞賛されていた。 優勝者インタビュー ――今日の成績は1位-1位(同着)-1位-1位-1位(同着)-2位という見事な勝ちっぷりでしたね。勝因は何でしょう? マルク「今回も運が良かったですね。特に4回戦目とか」 ――《オーリガ》からの《破壊ロボ》を毎ターン撃っていて楽しそうでしたね。さとゆうさんの予想だと、《破壊ロボ》のコンボよりは《鳥兜》のほうが強いだろうということだったんですが……。 4回戦目で《破壊ロボ》デッキを回すマルクさん。 マルク「実際その通りだと思うんですけど、《鳥兜》に走る人が少なかったので。それと、まわりの人がみんな最初に《葉っぱ》を取って《銀貨》を集めようとしてスタートしたんですけど、僕5-2だったんで初手で《破壊ロボ》が取れて、撃ったらいきなり2人の《葉っぱ》が破壊できた、という運もありました」 ――そのほか、印象に残っている戦いはありますか? マルク「苦しかったのは5戦目ですね。毎回引きがひどくて、《槙島聖護》でブンブンしようと思っていたのに全然ブンブンできませんでした」 ――それでも同率1位なんですね。 マルク「そもそも《槙島聖護》は、本家のドミニオンをやっていれば慣れてるけど、ニトロ勢としては最近出たばっかりのプロモカードなので、触れる機会がないですから」 ――ああ、なるほど。決勝の6回戦目はどうでしたか? マルク「2位を取れれば優勝確定という状況だったので、勝利点を取るよりも山を切らせて勝ちを確定しちゃうつもりでやってました」 ――rezoさんのデッキ枚数を30枚くらいだろうと見積もったわけですね。 マルク「そうですね。《富士見鈴》が4枚と、《呪い》が4枚あるとわかっていたので、そんなに得点はないだろうってことで、思い切って終わらせました」 ――それがうまくいったと。私は去年も拝見していましたが、去年に比べると戦い方がずいぶんトリッキーになったような印象があります。 マルク「まあ、追加セットが出てカードの種類が増えているので、単純にお金プレイより強い選択肢が多すぎますからね」 ――第1回以降、けっこう練習していたんですか? マルク「ネットのドミニオンを、2人戦専門でやってました。なので、5戦目の《プレゼント》は何だこれ?みたいな……。4人戦だと輝くんですけど、2人戦だと弱いので。そういう点で、4人戦にちょっと戸惑いましたね」 ――なるほど、ではやはり実力と練習によってつかんだ二連覇ということで。これで賞品のカードが2枚になりましたね。 マルク「去年の《湊斗光》と並べて飾ります」 ――おめでとうございました。 世界チャンピオンに挑戦! ドミニオンで世界を制した2人に、「ニトロプラスカードマスターズ」と「東方祀爭録」で挑戦するコーナーが設けられた。 左が2012年世界チャンピオンのioriさん、右が2011年世界チャンピオンのre_neさん。 順位で2人を上回るとプロモカードがもらえるというふれこみだったが、1日が終わってみれば2人が配ったプロモカードはわずか3枚だったそう。ioriさんいわく「もっとカードをあげたほうがいいのかなとは思いつつ、“世界チャンピオン(笑)”みたいになるのもいやだなと悩みながらやっていたら、こんなことに……」。さすが世界一! ●同時開催! 東方祀爭録 第二回幻想郷杯 ドミニオンキャラクターシリーズの姉妹作、「東方祀爭録」の大会も同時開催され、こちらには32人が参加した。 賞品は六羽田トモエさん直筆サイン色紙と、いかにも幻想郷らしく美しいトロフィー。 優勝した赤川さん。 ●サプライズ企画!豪華でカオスなおまけゲーム 表彰式を終えたところで、サプライズが起こった。「ニトロプラスカードマスターズと東方祀爭録の優勝者、どっちが強いのか気になりますよね? そこで、双方の優勝者と準優勝者に戦ってもらうことにしましょう!」と司会者が突如発表。その賞品として、今日の日付が入った世界に1枚しかないプレイマットが披露された。 このエキシビジョンマッチでは、ニトロプラスカードマスターズと東方祀爭録の基本セットからランダムに5つずつのサプライを使用することになった。 特別エキシビジョンマッチ・サプライ
お金や勝利点、呪いカードも両方のものを使うことにしたので、《銅貨》と《奉納米》と《金貨》、《博霊神社》と《妖都》と《紅魔館》が混ざる。 エキシビジョンマッチに集った4名。 左手前から時計回りに、プレイヤー名(大会と順位) マルクさん(ニトロ優勝)、赤川さん(東方優勝)、塚田さん(ニトロ準優勝)、雀樹さん(東方準優勝) 準備中は、世界観が入り混じるカオスな光景に笑いが絶えなかったが、いざゲームが始まると4人とも超真剣な表情に。カードの絵柄が違うと認識力が一気に落ちるので、「あ、祝祭(《博麗霊夢》のドミニオン名)あったんだ!気づいてなかった」などという事態も起きる。 《レーヴァテイン》や《アイン》など、アタックカードが乱れ飛ぶ中、雀樹さんが2枚だけデッキに入れていた《パーフェクトフリーズ》が無性に強く、要所要所で必ず攻撃をはじくさまに、周囲を取り囲む観客から歓声があがった。ニトロプラスカードマスターズには《パーフェクトフリーズ》にあたるカードが存在しないので、マルクさんが「《堀》(《パーフェクトフリーズ》のドミニオン名)ってクソカードだったはずなのに、なんかキャラが乗ったら強いぞ!」と叫ぶ。カードがただの「効果を持った紙」ではなく、キャラクターの映し身であることが、ドミニオンキャラクターズシリーズの魅力だと再確認できる一幕だった。 終盤になると《レーヴァテイン》でデッキが呪いまみれになった上、《アイン》によっていいカードはのきなみ落とされてしまうため、皆お金がほとんど出なくなる。残り1枚の《紅魔館》を誰も買うことができないまま試合が長引き、《そに子》《博霊神社》《呪い》の三山が切れて終わるかと思われた瞬間、奇跡的に塚田さんが8金に到達。《紅魔館》を買って1位となり、みごと世界に1枚きりのプレイマットを手にした。 「栃木から来たかいがありました」と塚田さん。 ●さらなるお楽しみは続く 今大会は、上位が狙えなくなっても途中でドロップ(棄権)する人が少なく、最後まで精いっぱい楽しもうという和やかな雰囲気のゲーム風景がそこここで見られた。最後のエキシビジョンマッチも観客から「見ごたえあった」「面白かった」と声が上がっており、参加者の皆さんは一日たっぷり満喫したことだろう。 また、ドミニオンキャラクターシリーズの新作(https://dominion.ne.jp/characters/nippon1/)の発売も告知された。新作とともに、次回大会の開催を楽しみにしていてほしい。 |
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