■ニトロプラスカードマスターズ銀河一決定戦 銀河一の愛を競う聖戦の行方は!?(2012年8月6日)

 銀河でもっとも強い「ニトロプラスカードマスターズ」のプレイヤーを決める大会が、このたび初めて開催された。7月16日にアニメイト秋葉原で行なわれた予選には計48人が参加し、上位4名がニトロプラス社屋で行われる決勝戦に進出した。

 それでは、7月22日の決勝戦の模様を詳しくお伝えしよう。

4人のプレイヤーがニトロプラス本社に集合!
ロビーではキュゥべえが彼らの訪れを待ちかまえていた。

決勝進出プレイヤー紹介(五十音順)

デモンベインとアルの前で、4名のプレイヤーに意気込みを語ってもらった。

大島さん

「楽しむこと優先ですが、優勝めざして頑張ります」

かねぴーさん

「銀河一になります!」

タケウチさん

「精一杯頑張ります」

ひまじなさん

「愛を貫きます」

ルール

・1位のプレイヤーは6ポイント、2位3ポイント、3位1ポイント、4位0ポイントを獲得する。

・計4回戦を行ない、合計ポイントのもっとも多いプレイヤーが優勝。

優勝賞品はトロフィーと、なまにくATKさん直筆の
「銀河に1枚しかない」プロモーションカード!

 大会が始まるのを待つ間も、ニトロプラスの好きなゲームなどについて話が尽きない様子の4人。ニトロプラス本社会議室のプレイマットが敷かれた机に集まり、ランダムに席順を決定したところ、1回戦目の一番手はかねぴーさんからとなった(以降順番に一人ずつ移り変わっていく)。

 背後のテレビからニトロプラス作品のPV集が流れると、やや緊張気味だった一同のテンションが上がり、いよいよ大会がスタートした。

開会前のルール説明を真剣に聞く4名

●1回戦(使用サプライは こちら

 各サプライは「ニトロプラスカードマスターズ」の開発陣が1人1回戦ずつ担当して考案したものとなっている。
 1回戦目はあっきゅんさんが作った、デモンベインと相性のいいカード3枚をメインに据えたサプライだ。「マスターテリオン」「デモンベイン」を軸に、「アナザーブラッド」でいろいろなことができる組み合わせになっている。

 「異界」のことを「属州」と呼んだりするとペナルティ出しますよ、という注意のあと、
ひまじな「ジャッジ、猫耳メイド(「伊都夏大学園祭」)を“沖姫々”って言ったらペナルティになりますか?」
ジャッジ「いえ、それは逆にわかってるなーってことで、みんなニコニコします」
……という会話があったり、「カードに水滴がつかないように、飲み物のペットボトルはテーブルの下に置くようにする」とか、そもそも「コンビニで買わずに常温にした飲み物を家から持ち込むようにする」とか、それぞれの愛の形をアピールしたりしながら、和気あいあいとゲームが進む。

 大島さんはさっそく「沙耶」からスタート。使うたびに「愛が重いでーす」と宣言すると、みんながデッキの上をめくって「呪い」に変えては「愛が重いな……」としみじみつぶやくという、変な空間に。
 こうして序盤は、大島さんが「沙耶」を撃ったあとにひまじなさんが「マスターテリオン」で手札を入れ替え、実質的に手札が3枚になるという友情コンボを展開したりもしていたが、中盤以降になると、「スピカ・ミラ・ガーネット」でじわじわとデッキを圧縮していたかねぴーさんのテリオン劇場が開幕。「マスターテリオン」を「アナザーブラッド」でコピーして、手札を補充しつつどんどんお金を貯め、「異界」を買いまくる。次第に圧勝ムードも漂い始めるが、緊張のあまり細かいプレイミスを連発してはニトロプラスの人たちに「ドジっ子属性ですね」とニヤニヤされ、恥ずかしがるかねぴーさんだった。

マスターテリオンを使いまくるかねぴーさん

 大島さんは「マスターテリオン」でお金を出して8金に届かせるより、「沙耶」を引いて使うため手札の入れ替えを優先したり、ひまじなさんは「勝つためには金貨を買ったほうがいいと思うけど、ここは好きなものを買いに行きます!」と言って「デモンベイン」を買い集めるなど、いわゆるセオリー通りではないが「愛を貫く」プレイングをしていた。

 最終的に「マスターテリオン」「伊都夏大学園祭」「妖都」の3つの山がなくなり、1位はやはりかねぴーさん。2位は序盤1人だけ5金が出なくて「マスターテリオン」に手が出ないのがつらかったが、「伊都夏大学園祭」を買い集めて粘ったタケウチさん。3位は大島さん、4位はひまじなさんとなった。
 先日の「ドミニオン」日本選手権で5位のかねぴーさん、去年の「ドミニオン」日本選手権でベスト4に入ったタケウチさんは「ドミニオン」の実力派として知られ、初戦から存分にその力をアピールしたといえよう。

●2回戦(使用サプライは こちら

 次にプレイヤーが立ち向かうのは、なまにくATKさんの用意した「装甲悪鬼村正」キャラてんこもりサプライ。「村正無双に加えて、あとで足した『石馬戒厳』と『瀧澤琴乃』をうまく使えるかどうかがキモかと思います」とコンセプトを語っていただいたが、実際にはなまにくATKさんの驚くような展開が待っていた。

 1番手のタケウチさんから、いきなり3人が続けて「湊斗光」を取るというスタート。四番手のかねぴーさんが「超絶苦しい」と悶絶しながら結局「湊斗光」を取り、全員が「光」始まりになった。しかも「光」をこよなく愛する大島さんは二手目でも「光」を取り、「スーパー光タイム、はじまるよー」。

クリックで拡大表示

 その大島さんは「光」で「光」を公開し、全員に「光」を配る。そうこうするうちにサプライの「光」が全員に配られて尽き、「世界は光に満ちた」と喜びの声をあげると、あっきゅんさんが「それ絶対バッドエンドルートだよ……」とつぶやく。すごい事態である。

 「光」に対して麻生さん(なぜか全員さんづけで呼ぶ「麻生純子」)を撃つことはできるが、根本的な解決策にはならない。「瀧澤琴乃」を使って地道にデッキを強化するか、「光」で配られた「アジト」を逆手にとって「スクルージ」を回す展開になる。

「スクルージ」で3枚ドロー

 「光」に続き、「アジト」が配られてなくなると、「スクルージ」も枯れそうになり、みんな慌てて「妖都」を買って得点を底上げする。しかし、序盤から「アジト」が「光」で配られまくっているので、誰が何点持っているのかわからない。いつゲームを終わらせればいいのか、タイミングをはかるのが難しかったが、タケウチさんが「異界」を買ったところで、大島さんが逃げ切るために「スクルージ」を買いきってゲームを終わらせた。
 得点を計算してみると……わずか1点差の12点で、「アジト」を配らずに受け取るだけでためていた大島さんが1位。ひまじなさんが11点で2位。同じく11点だが、手番の差で3位はタケウチさん、かねぴーさんは10点で4位となった。ドロー運がついてこず、7金で止まってしまったことがあったかねぴーさんは「『村正』やってなかったから、しかたないです」とコメント。デッキ内に「アジト」が多かった大島さんはゲームが長引くほど不利になるので、終わらせるタイミングが絶妙だった。

 ここで昼の休憩が予定されていたが、「このままの勢いで行きたいから休憩は必要ない」「PVが流れていればお腹いっぱいで三食抜いても大丈夫」などとプレイヤーたちが申し出たため、ほとんど間をおかずに3回戦に進むこととなった。

●3回戦(使用サプライは こちら

 ニトロくんさんの用意した3回戦目のサプライでは、満を持して「キュゥべえ」が登場!

キュゥべえトークンも準備される

 しかし、1番手の大島さんが「ツヴァイ」でスタート。初手5-2だったひまじなさんも、「キュゥべえ」ではなく「ギルクラで行きます」と「スクルージ」と「キャロル」を取った。「超安定」とされる「ツヴァイ+銀」スタートが多いと、「キュゥべえ」は使ってもあまり意味がなくなってしまうし、サプライに「湊斗光」もあったため、残念ながら「キュゥべえ」と契約するプレイヤーは一人もいなかった。

 スムーズに6金をそろえ、無駄のない動きで「金貨」から着実に「キャロル」へと歩を進める大島さんと対称的に、最初に買った「ツヴァイ」がデッキの底に沈んでしまい出遅れたかねぴーさんは、余裕がなくなってきて「異界」を「属州」と口走る場面も。「理論的にはアレがいいんだけど……でも本当にいけるのかな……」などとさんざん悩むかねぴーさんを見て、大島さんは「愛があれば理論はいらない! 愛は理論を超える!!」と力強く宣言していた。

 「ツヴァイ」圧縮からの「キャロル」により、かなり早い速度で決着がついたが、終盤はそれぞれが細かい得点を買いに走り、計算してみると大島さんが28点で1位、かねぴーさんはあの苦しい展開から追い上げて2点差の2位となっていた。
 これにより、勝利ポイントの合計は大島さんが13ポイント、かねぴーさんが9ポイントとなった。3位のタケウチさんは5ポイントなので、優勝争いは上位2人に絞られた形となる。しかしかねぴーさんが優勝するためには、かねぴーさんが1位になったうえ、大島さんが3位以下でなければならないという厳しい条件がある。はたして「カードマスターズ力」でくらいつき大逆転はなるか!? それとも愛が理論に打ち勝つのか!?

 この熱い展開に、ニトロプラス社員の皆さんが(日曜日だというのに)次から次へと会議室へ観戦にやってきて、「仕事してる場合じゃない」と盛り上がっている。後方では、「このサプライなら自分はどれを取るか」と検討している人々もいて、本当に皆さんがこのゲームをやりこんでいるということが伝わってきた。

●4回戦(使用サプライは こちら

 決着をつけるために用意されたのは、下倉バイオさん作のサプライ。「『ルイリー』ループと3山切れのどちらが早いかが競い合うサプライ」とのことで、目論見通りの試合が展開される。

 まずはすごい勢いで「イグニス」が買われていき、即座になくなる序盤戦を経て、かねぴーさんは「ルイリー」と「麻生純子」を組み合わせたデッキを一直線に構築、追いかけてタケウチさんもその方向へと進む。
一方ひまじなさんと大島さんは、「西條拓巳」で「すーぱーそに子」を獲得することでアクションとドローを増やし、スムーズに3山切れを狙っていく作戦に出る。特に大島さんは、優勝のためには2位を取ればいいので、「すーぱーそに子」は安定の選択だ。

 印象的だった場面は、かねぴーさんが「ルイリー」で手札を10枚にしても7金しか出ず、「こういう運命なのか……」とつぶやいて「妖都」を取った瞬間。一方で大島さんは「牧瀬紅莉栖」で数少ない金貨をみごと「異界」に換えることに成功し、結果として文句なしの1位を獲得。
 こうして大島さんが1位を3連続というすばらしい成績で優勝し、「銀河一」の称号を頭上に戴いたのであった。

ゲーム終了時の成績

 優勝の大島さんには、トロフィーとなまにくATKさん直筆の「光」が、2位のかねぴーさんにも「ニトロプラスカードマスターズ+」のアンカットシート(カードになる前の、切り離される前の状態のシート)が贈られた。

愛する光と記念写真を撮ってご満悦の大島さん

ルイリーとアンカットシートで「両手に花」状態のかねぴーさん

 そのほか全員に、大会時点では発売を間近に控えていた新作「ギルティクラウン ロストクリスマス」の非売品ポスターがプレゼントされたうえ、最後には特別に「ギルティクラウン ロストクリスマス」完全生産限定版の特典OVAの「銀河一早い先行上映会」が行なわれ、いかにも開発用という雰囲気の漂うタイムカウント入りの画面を、一同食い入るように見つめていた。

 盛りだくさんの「ニトロプラスカードマスターズ銀河一決定戦」であったが、第一回はこうして愛の嵐が吹き荒れ、無事終了した。
 プレイヤーたちの「ぜひ第二回も開催してください!」という要望にこたえ、「早いところ次回もやりたいですね、できれば年末くらいには」とスタッフ勢も盛り上がっていたので、今回参加できなかった人は、次回のチャンスを絶対に見逃すな!

優勝者・大島さんインタビュー

――まずはおめでとうございます。

大島:ありがとうございます。賞品、家宝にします。

――予選ではどんな感じでしたか?

大島:1回戦は、リーダー(「富士見鈴」)の場だったんですけど、みんながリーダーを取りに行った結果、自分一人だけ「異界」を取っていて、その部分で勝った感じですかね。誰も「リリィ・サルバターナ」を買わなかったこともあって、単純に「銀貨」と「金貨」でいけました。

――2回戦は。

大島:入穂さんって強い人が同じ卓にいたんですが、「沙紅羅ちゃん沙紅羅ちゃん」ってずっと愛を確かめようとしたせいで、単純に「モーラ」で廃棄してた僕が勝っちゃった感じでしたね。

――3回戦目はどうでしたか。

大島:お金と「ルナリア」と「アイン」を買って単純なステロ(少ないアクションカードとお金だけで構成されたデッキのこと)を回してたら勝てました。

――ちなみに3回戦まで全部1位で、この時点で決勝進出が決まってますよね。

大島:そうですね。4回戦目はひまじなさんが1位で僕は同着2位でした。みんなで「武田赤音」を取りに行って、ひどい運ゲーになっちゃったんです。

――なるほど。今日も見ていて思いましたが、シンプルなデッキがお好きなんですね。

大島:難しいことをしようとしても、どうしても強い人にはかなわないんですよ。自分が弱いことはわかっているので、できるだけ単純なプレイをして、コンボは運が多少からんできますから、相手の運が悪くてコンボが回らないところを狙っていくという……。

――コンボで強い人に張り合わないという戦略なんですね。

大島:はい、単純なデッキ作りをして、運とか愛とか、そういうところで勝負を決めようと思ってました。デッキの枚数を考えて期待値を計算したりとか、そういうのは慣れてなくて遅いですし。

――もとの「ドミニオン」もけっこうやられているんですか?

大島:いや、「ニトロプラスカードマスターズ」が発売されたときに知って、「ドミニオン」はそのあと始めた感じです。

――ああ、「ニトロプラスカードマスターズ」がきっかけだったんですか。それはもともとニトロプラスのゲームが好きだから?

大島:そうです。それにもともと将棋とかボードゲーム系も好きなので。

――将棋もやっているんですか。ニトロプラスの好きな作品は何ですか?

大島:もちろん「村正」、好きなキャラは光です。

――好きなカードも……。

大島:もちろん「光」です。2回戦目で使いまくれて、幸せでした(笑)

――そうでしたね。最後デッキに何枚くらい入ってたんですか?

大島:どうだろう、1回サプライに戻しちゃったんで……。場が重くなったんで、これは三山切れで終わるなと思って、「光」が尽きるときに山が残り2枚だったので、1枚戻して配ったんです。

――でもそれで結果的にみんなのデッキが「光」だらけになって重くなったのが勝因でしたね。

大島:はい。あと、途中で景明さん(「湊斗景明」)を買って、5金が簡単に出るようになったのも大きかったですね。景明さんのおかげで、手札がどれだけゴミでもとりあえず3金は絶対出て、あと銅貨が2枚あれば「妖都」は買えるって状況にできたので。

――景明さんにも頭が上がらないと。

大島:そうですね、村正勢にはほんと、頭が上がらないです。

――それ以外で勝因といいますと……。

大島:3回戦目は、手番が最初でただでさえ有利だったのに、かねぴーさんの最初の「ツヴァイ」がデッキのラスト2枚に沈んじゃったり、ひまじなさんが5-2スタートだったりしたせいで、運でも手番でも恵まれてたと思います。4回戦目は最後に金貨と「牧瀬紅莉栖」が一緒に来てくれたのが勝因ですね。

――なるほど。最後に、ニトロプラスさんのほうで要望だけなら聞いていただけるってことだったんで、今後カード化してほしいキャラは誰ですか?

大島:雪車町さんをぜひ。何のカードになってもいいんですけど、「村正」だったら光と雪車町さんが好きなので。

――わかりました。第三弾も期待して待っていてください。